データ駆動型サイエンス創造センター

Prof. Mori

Speaker:
森 浩禎(奈良先端大 DSC・バイオインフォマティクス部門 教授)

Bio:
データサイエンスセンター・教授(バイオサイエンス研究科・教授(兼任))。
京都大学博士(理学)取得。滋賀医科大学医学部、熊本大学医学部、京都大学ウイルス研究所を経て、本学に着任。2009年American Society of Microbiology, Academy fellow。2010年Royal Society of Chemistry, Fellow。大腸菌を用いた分子生物学、ゲノム解析研究、バクテリアを用いたシステム生物学に従事。

Title:
“Towards complete understanding of a cell”

Abstract
私たちは1997年に大腸菌ゲノムを完成させ、その後はこのモデル生物の完全理解に向けた網羅解析のための研究リソース構築を進めた。同時に網羅的計測技術の開発等も進め、TranscriptomeやProteome、Metabolomeなど、OMICS研究を牽引してきた。
これらのデータが示してきた事は、如何に細胞内での遺伝子間相互作用ネットワークが重要であるかという点である。
現在、私たちは細胞内遺伝子間相互作用の理解に向け、これまで構築した欠失株と接合現象を利用し、欠失の二重化を行う事で、遺伝子間機能相互作用ネットワークに解明に取り組んでいる。大腸菌は約4000のタンパク質をコードする遺伝子を持つ。全ての組合せによる二重化は1600万組合せにもなる。これまでの系統的な細胞活動の計測データおよび細胞内遺伝子相互作用解析結果から、大腸菌というモデル生物の完全理解に向けた取組みを紹介する。