2024年度計測自動制御学会学会賞「技術賞」受賞について
当センターの船津公人特任教授(DSCセンター長)が、2024年度計測自動制御学会において技術賞を受賞されました。
【受賞概要】
公益社団法人計測自動制御学会は、計測と制御の理論と応用を対象とした日本の学術団体で、60年を越える長い歴史を有しています(略称はSICE)。この学会は、計測技術や自動制御に関連する研究者や技術者が交流し、新たな知識やアイデアを共有する場として活動しています。
今回、2024年8月27日~30日に高知で開催されたSICE2024において、船津公人センター長は、技術賞「包括的な機能を有するソフトセンサー設計ツールの開発」を受賞されました。
【受賞者】(2024年度計測自動制御学会 学会受賞)
○技術賞
「包括的な機能を有するソフトセンサー設計ツールの開発」
(SICE 産業応用部門大会、他で発表)
富士電機株式会社 田中雅紀 殿、村上賢哉 殿、吉川譲 殿
奈良先端科学技術大学院大学 船津 公人 殿
東京農工大学・金 尚弘殿、三井科学株式会社・大寳茂樹 殿
UBE株式会社 山田幸治 殿、古屋敷啓一郎 殿、土井佑介 殿
【船津公人DSCセンター長のコメント】
ソフトセンサーは、測定が困難なプロセス変数をリアルタイムに推定するために使用され、化学プラントなどプロセスの安定性の向上とそれに伴う製造される製品の品質管理にとっていまや不可欠な技術となっています。
私は、東京大学および奈良先端科学技術大学院大学での教育研究活動を通じて、多くの学生に様々な生産装置におけるソフトセンサー技術の在り方を指導するとともに新たなソフトセンサー技術の研究と開発に取り組み、同時に産業界へその成果普及にも努めてきました。
2010年にソフトセンサーの構築と運用に必要な基礎技術の習得と課題の確認を行うために産業界の方々を中心にワークショップを立ち上げました。ソフトセンサーはプロセスのリアルタイム監視にとって有効な技術ではありますが、その構築と運用には様々なノウハウが必要とされ、容易にソフトセンサーを現場に導入しづらい現実がありました。このソフトセンサー実装上の問題を解決するために「ソフトセンサー実装」と名付けたワークショップを産業界、学術界の研究者とともに立ち上げ、予測精度の高いソフトセンサーの簡便で迅速な構築ツールおよび現場実装・運用ツールの開発を進めてきました。生産支援技術として産業界からはすでに高い評価を得ていますが、今回このツール開発に関わった方々と共に、長年の取り組みの成果が表彰されたことに大変に喜びを感じています。
授賞式の写真(左から3番目が船津センター長)
賞状と盾