データ駆動型サイエンス創造センター

Events

2024.11.28

「学内向け電子ラボノートワークショップ」開催

2024年12月18日(水)15:10~17:00開催

この度、データ駆動型サイエンス創造センター(DSC)では電子ラボノートの学内への普及を目指して、今までの学内での導入・活用事例等を紹介するワークショップを企画いたしました。

電子ラボノートは、データの共有・管理、および研究の加速化に役立つツールであり、世界的に導入が進んでいます。現在、DSCでは、オープンソースの「eLabFTW」を各研究室および技術職員の方々との協力のもとで導入し、研究現場での活用を進めております。電子ラボノートは実験系のみでなく理論・計算系でも活用方法があります。本ワークショップは研究の加速ツールとして電子ラボノートの導入をお考えの方へ参考になる絶好の機会と考えております。ぜひご参加ください。

なお、オンライン同時配信も予定しておりますが、現地にお越し頂くことで、実際に電子ラボノートに触れて頂ける貴重な機会となっておりますので、現地にてご参加頂けますと幸いです。

日時

2024年12月18日(水)15:10~17:00

開催場所

Rethink物質創成科学大講義室@物質棟1F

対象

本学の教員、事務職員および学生

言語

日本語

主催

データ駆動型サイエンス創造センター・RX実装部門

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【内容】
15:10~15:20   ワークショップ開催の意図:DSCセンター長 船津公人 教授  
15:20~15:45   電子ラボノートの概要:高須賀聖五 助教
15:45~16:55   電子ラボノートの活用事例紹介:5研究室
  15:45     マテリアルズ・インフォマティクス研究室
         高山大鑑 准教授・中嶋梨恵 技術補佐員
         「教員と技術補佐員の電子ラボノートを使った共創」
  16:00     物性情報物理学研究室
         武田さくら 助教
         「物性物理実験と計算の詳細の電子ラボノート上への集約」
  16:15     計算システムズ生物学研究室
         小野直亮 准教授
         「eLab APIを用いたeLabFTWの活用方法」
  16:30     データ駆動型化学研究室
         宮尾知幸 准教授
         「ドライラボでの電子ラボノートの使用状況」
  16:40     計測インフォマティクス研究室
         赤瀬善太郎 特任准教授
         「電子ラボノートを用いた計測メタデータの記録と情報共有」
16:55~17:00   総括:太田淳 研究担当理事

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活用事例紹介 講演要旨

マテリアルズ・インフォマティクス研究室
高山大鑑 准教授・中嶋梨恵 技術補佐員
「教員と技術補佐員の電子ラボノートを使った共創」
人の手によって実施する典型的な化学実験における電子ラボノートの活用事例を紹介する。「典型的」の意味するところは、実験試薬の秤量値のメモ、試薬の純度やメーカーの記録、色味の変化などの実験状況の考察に加え、実験計画や実験結果の共有・保存の多くは紙のノートを記録媒体としている点にある。この記録媒体を電子ラボノートへ移行する際の試行錯誤や、得られた恩恵について、実演をふまえて紹介する。

物性情報物理学研究室
武田さくら 助教
「物性物理実験と計算の詳細の電子ラボノート上への集約」
物性測定及び、数理物理に関連する2つの手法開発プロジェクトにおける、電子ラボノート活用事例を共有する。我々は従来、研究の詳細情報を、装置付属の実験ノート及び、まとめ電子ファイルに記録していたが、この手法では、後日必要な情報を探索することが困難であった。そこで、「どの情報も電子ノートを見れば引き出すことができる」ようになることを目指し、電子ラボノートを研究情報のハブとして機能させることとした。トライアンドエラーが多くルーチンを定めづらい手法開発研究において、電子ラボノートを活用することで得られる利点を議論する。

計算システムズ生物学研究室
小野直亮 准教授
「eLab APIを用いたeLabFTWの活用方法」
ドライ系の研究室では必ずしもラボノートを作成する習慣はないが、代わりに「定期バックアップツールを使う」「Gitなどでバージョン管理をする」などといった形で研究履歴の管理をそれぞれに工夫しているものと思われる。今回は、eLabFTWのAPIを用いて、Jupyter Notebookの内容を電子ノートに保存する手法を紹介する。JupyterからMarkdown形式への変換とelabFTWへの保存をスクリプト化することで簡便なバックアップツールとして利用する例を実演する。今後、定期保存や柔軟なバックアップ制御、他のアプリケーションとの連携ができればさらに便利なツールとして活用できるようになると期待できるだろう。

データ駆動型化学研究室
宮尾知幸 准教授
「ドライラボでの電子ラボノートの使用状況」
当研究室では、電子ラボノート導入前は個人の裁量により日々の実験(作業)を記録していた。教員が研究進捗を確認する際には、PowerPoint, WordやOneNoteなど各々が好きな媒体で研究報告を行なっていた。また、コーディングにおける実装が難しい箇所の報告(対応依頼)や、ソフトウェアにおけるバグや不具合の報告などもslackでの情報共有が中心であり、サーバーの管理や情報の一元化の観点から課題があった。電子ラボノートを導入したことにより、少しずつ情報の一元化が進んでいる現状を報告する。

計測インフォマティクス研究室
赤瀬善太郎 特任准教授
「電子ラボノートを用いた計測メタデータの記録と情報共有」
本研究室における電子ラボノート(ELN)の活用方法と、共同研究における運用上の課題について紹介する。本研究室ではまず初めに顕微鏡データ取得時の撮影ログの記録にELNを取り入れた。撮影モードに合わせたテンプレートの作成と活用から始まり、現在は実験終了後に、取得データのメタデータから、実験ログを半自動で作成することを試みている。ELNのインターフェイスはwikiや電子ブログのそれと似ていることから、各メンバーが開発した解析用スクリプト等のノウハウをLab内で共有する手段としても利用している。そのほか、共同研究を行っている企業研究者が使用する上での運用上の各種課題についても紹介する。

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【お問い合わせ先】
データ駆動型サイエンス創造センター・RX実装部門
赤瀬善太郎
内線:6121
Email:z.akase[at]naist.ac.jp