『コロナ感染者数の時系列解析』
感染症の流行は第1波、第2波と呼ばれるように感染者数が急激に増加したあと減少に転ずる。SIRモデルは感染者という実体を考慮してその広がりを微分方程式で記述し、感染者数の増加と減少を再現する。SIRモデルは再生産数などのミクロなパラメータによりその挙動が決まる。一方で、感染者数の増加と減少というガウシアン的な変化がほとんどの場合で当てはまるのであれば、その増減の形そのものを定式化し、マクロパラメータで時系列フィッティングすることも可能である。本解析では、ガウシアン様の増減を積分した波形の近似としてシグモイド関数を用い、シグモイド関数の重ね合わせによる感染者数のフィッティングを行った。過去の感染者数系列によって得られるパラメータで将来予測が可能な場合、パラメータに制約を与える必要な場合、得られた関数から計算される必要病床数等について結果を紹介する。また、本解析において感染者数のデータのみから得られる情報、解析法の限界、詳細な解析手法への展開の可能性について議論する。